残業代請求の際にとれる方法は大きく分けて4つある

残業代は本来、法令にしたがって従業員に支払われなければならないものですが、中には何かと理由をつけて残業代の支払いをしようとしない使用者が少なくありません。もし、受け取っていない残業代がある場合は残業代請求の手続きをとる必要がありますが、その際にとることができる方法は大きく分けて4つあります。まず、自分で勤務先に残業代請求を行って直接交渉をする方法があります。上手く行けば費用をかけずに残業代を手にすることができますが、残業代請求手続きが済んだ後も勤務を続けることを考えると請求しにくい面があります。

交渉に成功するためには、労働法規に関する知識が豊富であり、使用者側を交渉のテーブルにつかせる能力があることや、自らの労働に法令違反がないといえることが条件となり、ケースによっては労働者側も多少の譲歩が迫られます。コストをかけずにできる方法には他にも、労働基準監督署に訴えて残業代の支払いを行うように行政指導や勧告をしてもらう方法があります。労働者側が未払いの残業代が存在することを示す資料を提示することができれば、労働基準監督署の人に動いてもらえます。しかし、あくまで指導と勧告のみで強制力がないため、使用者が残業代を支払おうとしない場合は他の方法をとらなければなりません。

残業代請求の過程で多少のコストがかかっても良い場合、労働審判の手続を利用する方法と、訴訟を起こす方法も選択肢に入ります。前者は申し立てから3ヶ月程度で審判が出て、残業代を支払うよう命令が出れば確実に残業代が手に入りますが、請求者本人が裁判所に出頭する必要があるほか、付加金の請求ができないデメリットがあります。これに対して後者は、手続が終結するまでの期間が長いですが、残業代のほかに、付加金や遅延損害金の請求も行うことができ、使用者が支払いに応じない場合には強制執行の手続きをとることができるメリットがあります。

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